ギリシア世界総合(1)

問題

 次のⅠ〜Ⅳの文章を読み、あとの問いに答えよ。

Ⅰ 前3000年頃、オリエントの影響を受けて東地中海沿岸に誕生した青銅器文明は、エーゲ文明とよばれる。エーゲ文明はまず前2000年ごろから、クノッソスを中心とするクレタ島で繁栄した。このクレタ文明は、発掘された遺跡から、平和で開放的な海洋文明であったと推測されている。バルカン半島では少し遅れて前1600年頃、北方より移住してきた【 イ 】人がクレタにならい【 ロ 】やティリンスなどに王国を形成し始めた。彼らは前1400年頃にクレタ王国に侵入して、これを滅ぼした。しかしこれらの【 ロ 】文明の諸王国も前1200年頃には滅亡し。その後ギリシアでは混乱の時代が400年ほど続くことになる。この間に人口は減少し、文字も忘れられ、人々は定住地を求めて移住を繰り返した。

Ⅱ 前8世紀頃からギリシアの人々は有力な貴族の指導のもと、アクロポリスを中心に集住し、多数のポリスとよばれる都市国家をつくりはじめる。これによってようやくギリシアの暗黒時代は終焉を迎えた。その結果、ギリシアの社会は安定し、その文明は成熟へと向かい始めた。この頃には人口も増加して植民活動も始まり、地中海や黒海沿岸に数々の植民市が建設された。また貿易活動もさかんになり、ギリシアの人々は【 ハ 】から貨幣の利用も学んだ。またフェニキア文字を手本にしてつくられたアルファベットが使用され始めたのもこの頃であった。

Ⅲ ポリスの中でも代表的なものはスパルタとアテネだった。スパルタは先住民を征服することによって建設されたポリスである。征服された先住民は【 二 】とよばれ、農耕労働を強制され、貢納の義務を負わされた。こうして農業生産を確保する一方で、スパルタ市民のあいだでは民主化が進められた。そしてスパルタ市民の誰もが少年の頃から厳しい軍事教練を受け、平等に戦士となるように育成された。このように農業を中心とし強大な陸軍を保有していたスパルタと対照的なポリスがアテネだった、アテネは【 ホ 】人が集住によって建設したポリスであり、海軍力を背景に海上貿易に力を注いだ。アテネは前8世紀頃、王政から貴族制に移行しその後、貴族と平民の対立が長く続いたが、ドラコンの立法、ソロンの改革、クレイステネスの改革などを経て、民主制を確立していった。

Ⅳ 前479年の【 へ 】の戦いでアテネ・スパルタ連合軍がペルシア軍を撃破したことによって、アケメネス朝ペルシアに対するギリシア側の勝利が決定的なものとなった。戦争が終結すると、ペルシアの報復に備えて、エーゲ海周辺のポリスはアテネを中心にしてデロス同盟を結んだ。アテネはペリクレスの指導のもとで民主政を完成させ、海軍力と経済力を背景にデロス同盟の実験を握り、「アテネ帝国」と称されるような繁栄の時期を迎えた。これに対してスパルタ・コリントスはペロポネソス同盟を結んで対抗し、これら2つの同盟は前431年、長期にわたるペロポネソス戦争に突入する。戦争はスパルタ側の勝利で終結するが、その後も永続的な平和は訪れず、絶え間ない戦争状態の中でポリスの市民社会も変質していき、前4世紀後半にはマケドニア王国によって全ギリシアは支配下に置かれた。

  1.【 イ 】〜【 へ 】に該当する適当な語句を答えよ。

  2.ポリスについて、ポリスは哲学者によって統治されるべきだと主張する『国家』の著者を次の中から選べ。
①アリストテレス  ②ソクラテス    ③プラトン
④プロタゴラス   ⑤ヘラクレイトス 

  3.植民市について、以下のギリシア人による植民市の中で、現在フランスの港湾都市として栄えているものを選べ。
①シラクサ     ②タレントゥム   ③ネアポリス
④ビザンティオン  ⑤マッサリア 

  4.クレイステネスの改革について、この改革に関する記述として正しいものを次の文章から選べ。
①血縁的な4部族性を廃止し、市民をデーモスに登録させた。
②市民権法を定め、アテネ市民になる資格を明確にした。
③市民を財産に応じて4階級にわけ、等級に応じて参政権に段階を設けた。
④従来の慣習法を成文化して貴族の権限を弱めた。
⑤身体を抵当とする借財をはじめて禁止した。

  5.ペリクレスの指導のもとで民主政を完成させについて、この時期のアテネの民主制に関する記述として誤っているものを次の文章から選べ。
①国政の最高機関は民会である。
②裁判は陪審員制をとっていた。
③奴隷・外国人居留社・女性には参政権がなかった。
④民会は18歳以上の男子市民全員で構成された。
⑤役人・裁判官・将軍は抽選によって選出された。

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